昨日のBPStudyで僕が一番伝えたかった事は、業務スキルの話。

これは僕が30代の頃に、スキルに対して図の中のような疑問を感じていたことの解として数年前にようやく気づけたことである。


下記の資料の 47ページページから数ページこのことを説明している。
http://www.slideshare.net/mobile/hagimotojunzo/it-53233107

仕事をやっていると、いつの間にか身についていく技「身についている技(暗黙知)」がある。それはとても貴重な経験知である。

しかしそれは、どのような知識か聞いても説明できない。ただひたすら身についている技を溜め込むことを頑張り、その知識の渦の中で埋もれてしまうこともある。

また、もう一つの知識として「魅せる技(形式知)」がある。

身についている技を本質面で抽象化して「魅せる技」を作り出すと、自分の技がどのようなものであり、どのような価値があるかが人に説明できるよになる。

「魅せる技」はToBe的で、将来の目標でもある。それを目指しつつ、それに連なる「身についている技」を洗練化、余計なものを削ぎ落とす効果もある。技を見る目も養われる。

よくある業務知識を身につけよ!と言つている業務とは、「身についている技」の事が多い。だからいつまで経っても業務知識をカタチにできず、身につけたものが何かを説明できないし、伝えられない。

知識伝承ができないのだ。

多くの経験を積みたいと言っている人が数年経験を積んでも、何を経験したか人に説明できない。これは「身についている技」だけを保有しているからなのだ。

また、キャリア目標として掲げる言葉は「魅せる技」の領域のものであるが、それが「身についている技」とマッピングできず、絵に描いた餅となり、目標であるはずの「魅せる技」への道のりになる行動へ繋がらない。

匠メソッドの価値表現の身近なものとして「魅せる技」を描き「身についている技」に繋ぎ、「魅せる技」を目標として「身についている技」の贅肉を削ぎ落とし、洗練化させることがある。

僕は、イノベーティブの中には、人の日常に普通に存在する概念の捉え方自体にイノベーションを起こせる凄いものが隠されていると思っている。匠メソッドは、そのような意識の産物であり、この話も業務知識伝承と言うとても重要な課題に対するイノベーティブな見方なのである。